プリモ

プリモフード開発者コラム

犬の体に良い脂、悪い脂

先日、黒ラブ6歳の飼い主様がわんちゃんを連れてこられました。
お腹にぽつぽつ赤い湿疹が出来て、膿の様になることもありますが、どうすれば良いか? というご質問でした。
(念のため、今までは他社品を与えておられました。)

例によって、獣医さんでは、アレルギーの診断でステロイド治療というパターンです。
ほとんどすべての湿疹は、白血球が細菌や異物を攻撃するときに、自分の細胞も攻撃してしまうことで起こります。
ステロイドで白血球の動きを緩慢にすれば、炎症が抑えられます。
当然、根本的な治療にはなってないのです。 上記事例は、ラブやゴールデンで本当によく見られます。
今回は食している油脂から、その事を考えてみます。

油脂は基本的に、トリグリセライドという分子構造です。
名前の通り、グリセリンに脂肪酸が3つ引っ付いた形になっています。
その脂肪酸の種類や配列の順番が変わる事で、融点が変わり油や脂になります。
人でも犬でも、食した油脂は、その種類にあまり関係なく、脂肪酸に分解されて体中の各所で使用されます。
つまり、どんな油脂でも、とりあえず体内で使えるので、逆に厄介で、悪い油脂でも体内で使用してしまい、トラブルなってしまいます。

さて、良い脂悪い脂ですが、まず酸化したものやトランス脂肪酸が悪いのは言うまでもありません。
今回はあくまで新鮮な油脂で、どんな食物の油脂がより良いのかを考えます。

油脂は温度で粘度が変わりますので、重要なのはこの粘度の問題なのです。
粘度が高すぎると、血液がどろどろしたり、いろいろな場所で循環が悪くなり疾病を起こします。
上記のわんちゃんも、毛根から出された皮脂の粘度が高いため、そこに溜まってしまい炎症になってしまったものです。
もう解っていただけたと思いますが、単純にさらさらの油脂つまり融点の低い油脂を食べれば排出が良いと言うことです。
植物性の油と動物性の脂では、植物の方が当然リスクは少ないですが、うまく出来たもので、肉食よりの犬の食性では植物性のみでは良い状態を維持できません。
植物毒素が邪魔をしている可能性があります。
当社ドライフードには、動物性油脂を添加する事はありませんが、生肉の中には、脂が含まれますので、適量が入るように生肉の質を選んでいます。

では、牛肉、馬肉、鶏肉、どんな肉が良いのでしょうか?
動物性油脂の粘度は、その動物の体温に関係します。
つまり、体温の高い動物の油脂は粘度が高く、体温が低い動物では粘度は低いわけです。
体温は、高い順で、鶏41度、牛40度、馬38度、犬は38度ですので、 畜肉では馬肉が体に良いわけです。
ただしこれは、油脂の面だけを考えた場合です。
他の要素では鶏や牛が優っている面も多々ありますので、馬だけを食べさせれば良いということではありません。

でもこれは恒温動物の範囲で、体温が海水温の魚はもっと脂の融点は低いわけです。 特に青背の魚の脂は最高です。
ですので魚を原料に使う必要があるわけです。魚油などもお勧めです。

ドライフードには、製造温度の面で使いたくても使えませんが、膿皮症や脂漏性湿疹、アカラスなどの予防に効果があります。
上記観点より、当社ドライフードでは鶏や牛は、出来るだけ脂の少ない物を使っています。
だから、ヒネ鶏、仔牛肉になるわけです。
しかしながら、今回のお問い合わせの件は、上記の次元では無いようです。
大手メーカーの物では、再生油を使っているフードが多いですが、揚げ物の脂が古くなって交換したものを静置して上澄みを使っているようです。
いくら酸化防止剤を使っても、酸化がすすみにくいだけで、既に酸化していますので、再生油を使用したものは避けるべきです。
当社のドライで、できたてで酸化度0.3程度、夏場3ヶ月常温保存で、0.9になってしまいます。(食品基準は1以下)
ですので、できるだけ早く消費して頂きたいのです。
再生油を使った他社フードを自社で調査した所、新しいもので酸化度2~3、期限間近では、4~6にも達しています。

最高品質のドライフードとは。

調理(製造)温度から考える、ドライフード製造のお話です。

ドッグフードには、さまざまな原材料が使われています。
当社製品においては、まず生肉です。 馬肉、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、鹿肉、魚肉などが使われます。
次に、煮干、乾燥ホエイ(乾燥した動物性たんぱく質)、 コーングルテン、大豆(植物性たんぱく質)、 米、大麦、グレインソルガムなどの穀物(炭水化物と繊維)、 油脂類、その他栄養調整成分となります。

この中で、生肉はできるだけ低温調理が好ましい食材です。

逆に炭水化物や繊維は生では食べれませんので、しっかり熱を加える必要があります。
それ以外は、生の物ほどではありませんが低温のほうが好ましいです。

問題はドライフードである以上、全部混ぜてしまいますのでどうやって作るの?と言うことです。

意外に簡単です。穀物だけは先に十分加熱調理して下ごしらえをし、その後他の物と混合し、できるだけ低温で乾燥させるのです。
こうすれば穀物はしっかり火が通って、しかも生肉は変質しません。
これが、当社の考える最高品質です。

穀物は、蒸気で蒸した後乾燥させます。混合後の乾燥温度は、現在では65℃20分の後、48℃10時間です。
生肉をそのまま混ぜるということは、混合した後から腐敗が始まるということです。

そのため、まずは生肉が新鮮な食品グレード、またはそれに準ずる物でなければなりません。
その上で65℃20分間で、おおよそ15%位まで水分を落とすことで、ほとんどの細菌が繁殖できなくなります。

後は、できるだけ低温でゆっくり5%くらいまで乾燥します。
これは、油の酸化を考慮してのことです。
油脂の酸化は、同条件では10度上昇で2倍になりますので48℃と、大手が使う造粒機エクストルーダーの200℃では、 2の15乗倍つまり、約3万倍の速さで酸化する事になります。

生肉を使わずに、ミートミールを使って全部混ぜ合わせた後、一発でできるエクストルーダーと比べると、
当社の方法では、何倍も手間がかかってしまいますが、いいものを作るには「やらなしゃーない」というところですね。

この方法において、もうひとつメリットがあります。
そこに少量の生の穀物を混ぜることで、穀物のアルファー化率を自由に調整できることです。

これは、腸内フローラを考えると、非常に重要な要素になります。
食材の違いによる温度の差、油脂の酸化、腸内フローラを考えた穀物配分、どれをとっても完成された、昔ながらのハイテク技術???で日々作られています。 ウンチの量が少ないほうが良いフード?

最近、ウンチの量が少ないフードが良いフードと言う、間違った認識の方が増えているように思います。
そういえば、とあるドライフード批判本に、そういったことも書かれていたのを読んだことがあります。
ウンチの量は、何によって決まるのでしょうか?

タンパク質(お肉、魚)や脂質(植物油、お肉の脂肪分)も全てを消化する訳ではないのでウンチに出ますが、
犬は消化が上手いのでそんなに影響しません。

それに対し、穀物は消化が下手で、アルファー化していない穀物は殆ど消化できません。
また、食物繊維も食べたものの10%位しか消化できないそうです。

食物繊維は、穀物や野菜の難消化部分ですので、犬にとって、アルファー化していない穀物も、
食物繊維と考えて良いと思います。
つまり、この広義の食物繊維がウンチの量を決めます。

人間の栄養学で、以前は、食物繊維は、ゴミでしたが、この20年位は、必要なことが解ってきました。
食物繊維は、栄養にはなりませんが、乳酸菌などの善玉腸内細菌のエサになります。
腸内細菌が、善玉菌だったり悪玉菌だったりする、その分布を、腸内フローラと言います。

善玉菌は、乳酸菌やラクトバチルス、フェーカリス菌などを代表するもので、
これらの菌は、免疫力を高めて癌や感染症を予防したり、ビタミンを合成したり、アレルギーをおこしにくくしたりします。
悪玉菌は、大腸菌やウェルシュ菌、バクテロイデスなどを代表するもので、細菌毒素や発癌物質を産生したり、
それによって、皮膚を荒らしアレルギーをおこしたり、体臭を増やしたり、肥満の原因にもなるそうです。
主に善玉菌のエサは食物繊維で、悪玉菌のエサはお肉だということです。

しかしながら、犬は肉食系ですので、しっかりとお肉を食べないといけません。
なので、お肉も食物繊維もしっかり食べなければならないということです。

上記より、腸内フローラの分布構成が非常に重要なことを解って頂ければと思います。
また、善玉菌にエサを与えないといけない事もわかっていただけたと思います。

しかしながら、食物繊維は大腸の短い犬は10%位しか消化できませんので、当然90%位はウンチになるわけです。
犬の健康面から考えた設計をするため、食物繊維を増やすと、当然、ウンチは大きくなってしまいます。

では、なぜ小さなウンチが良いと本などに書かれているのでしょうか?

畜産の業界では、近年(20~30年前から)、牛、豚、鶏の糞の処理が、昔のように畑で肥料に出来なくなったため、
産業廃棄物として処理されるようになり、そのコストが牧場経営を揺るがすようになったのです。
そこで、大学や農業試験場では、どうすれば糞が減らせるか競って研究され、糞の少ない飼料が技術の証とされました。
そのうちの、豚の技術が、同じ雑食獣として犬にも転用されるようになったのです。
穀物の高度なアルファー化で穀物の消化を上げ、悪玉菌が増えすぎると悪臭になるので、
抗生物質等の抗菌剤で制菌すると言うものです。

抗菌剤の事は、話が逸れてしまいますので次回ということで、
今回は穀物のアルファー化についてもう少し掘り下げてみます。

僕は、そもそも犬と家畜は違うと思っています。
家畜は出来るだけ安くて少ない飼料で大きく成長させ、出来るだけ糞を減らせて、
しかも、筋肉に脂が入るように肥育させ、飼料対成長曲線で一番経済効率が良いところで、
寿命をまっとうせず肉にされ販売されます。
乳牛や卵鶏でも収支計算は複合されるだけで、全ては経済効率が優先されるのです。

一方、犬はペットですので早く大きく肥育するよりも、より健康に長生きできるようにドッグフードを設計すべきと考えます。
確かに、高度なアルファー化によって、最大成長させることが出来ますが、それは、肥育つまり肥満に育てるだけで、
健康とは全くかけ離れたものなのです。

だからと言って、食物繊維をとにかくたくさん食べればいいかと言うとそうではありません、適量が存在します。
腸内フローラから考えた、ドライフードにおける穀物の最適なアルファー化の割合は、60%~70%と考えています。
ですが、これくらいだとウンチは、アスファルトにあとが残るくらいの柔らかさになってしまいますので、
割合を上げて80%位で、現在は設計しています。

80%はウンチになり、残りの20%は善玉菌のエサにすると言うことです。

長くなりましたが、ドッグフードは飼料だという一昔前の考え方から、
より人の食品に近い高度な健康を考慮した設計の時代になってきていると言うことです。

また、犬の場合、食物繊維を野菜から採ることは出来ないので、穀物から採らせる必要があります。
これは、またの機会に詳しく書かせていただきます。

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